今年に入って早々、スウェーデンのアンナさんから「洋服を作りたくなる生地を見つけたわ」と連絡がありました。送られてきた布の映像にあったデザイナー名は、Sven Fristedt。まさに偶然ですが、ウンベルト店内にお正月から飾っているテキスタイル(“ormen” 蛇がモチーフ)のデザイナーです。
My journey began with the fantastic Swedish vintage textile found by Anna (Annas Växthus)🇸🇪

アンナさんの多彩な趣味のひとつにソーイングがあることは以前、彼女が水曜の夜に通うソーイング教室について記した際にお伝えしたと思います。
彼女によると、洋服やバッグづくりはまず『魅力的な布を見つけること』から始まるようです。旅行先のお店で見つけたり、蚤の市で探し出したりと、見つけ方はさまざま。ただし、その布をすぐ形にできるかどうかは定まっておらず、引き出しの中で何年も眠り続けている布もたくさんあるそう。
そのアンナさんが見つけた瞬間「洋服を作りたい」と思い、わたしに興奮気味に教えてくれた今回の生地は、彼女のすきなドットとレジメンタルが詰め込まれたユニークなものでした。

そして2月の旅は、スウェーデンのアンナさんとの Umwelt Tailorbird Project (テーラーバード プロジェクト)“sömnad”(スウェーデン語で裁縫の意味)で幕を開けました。
スウェーデン到着初日から制作開始。張りのある少々厚手のコットン生地なので、ショートジャケットにすることでわたしたちの意見が一致しました。
生地にはイタリア語で芳香などを意味する odoroso というタイトルがつけられています。 Sven Fristedtさんがなぜそう名付けたのか、興味深いところです。

切り抜いた型紙を布の上に置きながら、完成形をイメージして位置を決めているところです。

彼女が身につけているこの服☝︎も確かお手製だったはず。これまでにも、ジャージ素材の子供用パジャマや男性用の手の込んだベストをつくっているところを見たことがあります。薄手のものからウールのジャケットやコートといった冬用の厚手衣類まで、かなりの数をつくってきたアンナさん。

わたしはボタン選びと縫い付け担当です(このボタンもアンナさんのコレクションの一部)。

時間を見つけては、黙々と作業をこなします。
買い付け中は移動が多く、わたしがこの家にいられる時間が限られているので、試着やデザインの意見を出し合うときはとても貴重でした。

2日後の夜には、最初の一着がもうすぐ完成というところまで進んでいました。
つづく🪡