短い期間だけど、一時帰国していた友人たちと御苑へ。
彼女が暮らす国ではほとんど見かけないというモミジ。特に淡い紅色をしたプロペラ状の翼果がすきだからと写真に収めていました。
歩きながら「４月のある日の朝早い時間に、これは京都の匂いって思ったことがあったの。そばにいた子どもも同時にそう言ったから不思議でしょ。言葉や文章にするのは難しいけど確かに、あ、京都って思った。でもそれはその日の早朝のほんのいっときだけだったの」と話してくれたのが印象的でした。遠く離れた場所でふいに感じ取った京都の空気。
わたしは日傘の下で、彼女の記憶をたどるように、まだ少し寒さの残る、ちょっとかすんだような春の朝のようすを思い描き、すっかり暑さを忘れていたことに後になって気づきました。
もうすぐ飛行機に乗りこむ彼女たち。再会を楽しみに。