京都国立近代美術館で開催中の展覧会『小林正和とその時代 ファイバーアート、その向こうへ』を鑑賞してきました。
昨年のちょうど同じころに見たリュイユ展につづき、テキスタイルに関連のある展覧会。そして、リュイユ展と共通するデザインのこのフライヤーにも興味をひかれました

1970年代から90年代にかけて制作された造形作品の数々。
会場を順にめぐるうち、いくつかのシリーズにはタイトルの終わりに OTO がついていることに気づきました。「音」をテーマに、さまざまな素材の糸から生まれる構造と空間のインスタレーションとして考えられていたようです。
織物や立体作品を間近に観察しながら「これはどうやって織られたんだろう、どういう構造になっているんだろう」とキャプションをヒントに謎解きする楽しみもあり、何度も会場を行きつ戻りつしました。
糸が生み出す自然な「たわみ」や「張り」と、織ることによって糸が集まり面になった部分との対比。ファーバーアートならではの面白さが遺憾なく発揮されていると感じると同時に、以前にもどこかで見たようなちょっと懐かしい感覚を覚えました。
この懐かしさは何かなと考えたところ、わたしが子供のころ訪れた公共のホールなどでは、さまざまなファイバーアートが飾られ、必ず目にしたような全盛期を(もちろんそのときは実感はなく)体験していたからかも、という気がします。
会期中の2月から3月にかけて、ラウンドテーブル「小林正和とその時代」も実施されるようですので、日程が合えば行きたいなと思っています。