Umwelt

Textiles & Objects

The Long Way

デンマークの先生、マチルダとユーリア(Aggebo&Henriksen) に会って来ました。一緒に過ごせる限られた時間をどう使うか、事前にいつも興味深い提案をしてくれるのですが、今回は Frilandsmuseet という屋外博物館にご招待いただきました。

Our research holiday in Denmark.

Thanks to Mathilde and Julie, my first visit to Frilandsmuseet in Lynby was full of surprises and various discoveries!

Lynby(リュンビュ)の広大な自然のなかに、デンマーク各地にあったさまざまなタイプの古い民家(おもに18世紀以前に建てられたもの)が移築・公開されています。

いまも茅葺屋根の家は実際にデンマークやスウェーデン郊外でよく見かけますが、これまでまったく知らなかったつくりの家々に驚きました。

下の写真は、海沿いの町からやってきた古民家。こんもりした屋根は海藻でつくられているそうです。家づくりの大きな課題のひとつは、なかへの雨水の侵入を防ぎ、大量の水をどう逃がすか。屋根の四方には鎖をぶら下げて、水が伝わって落ちるように考えられています。まさに鎖樋(Rain chain) ⛓️⛓️

ローテクがさまざまな分野で見直されているデンマーク。そういえば以前、A.Petersenで見たソファ内部のクッション素材(ウレタンのような役割)に使われている海藻(アマモ・Zostera marina)も、同じだったのかと思いました。新しいプロダクトのヒントは、ほんとうにいたるところに散りばめられているのですね。

それにしてもこのこんもり屋根…とっさに五劫思惟阿弥陀仏が浮かんだのは私だけではないと信じたい

☟別の家では、レース作りをしていた部屋が再現されていました。手元をいかに明るくするかの工夫が見えます。ここに集っていた人たちの会話が今にも聞こえてきそうなほど、美しく保たれています。

☟裕福な家では壁の全面がオランダのタイルで埋め尽くされた部屋がありました。こちらは動物づくしです。

壁に使われている色の変遷やどのように小さなものを飾りながらしまうかの工夫、そして大切なのはテキスタイルがどのように昔のデンマークの生活に取り入れられていたか、その機能的で美しいポイントなどについて、彼女たちならではの視点で解説してくださいました。

途中、用意してきてくれたサーモンのサンドイッチと飲み物でピクニックも。食べている最中(それまでよいお天気だったのに)、急にざーっと雨に降られ、慌てて木の下で雨宿りしながら紅茶を飲んだこともこの日の楽しい思い出です ♡

ライラックタイムのスティーブン・ダフィー(Stephen “Tin Tin” Duffy)は、初期デュラン・デュランのメンバー。90年代にはXTCのアンディ・パートリッジがプロデュースしたビートルズを彷彿とさせるポップ路線のアルバムなどもあり、シングルを集めて、よく聴いていました♪しかし本来は、こうしたフォークやカントリー、アイリッシュ・トラッドの影響下にあったことを思い返しています。懐かしくもあり、彼の到達点を見たような気さえして、なんだか幸せな気分。心に染みます🎸