Umwelt

Textiles & Objects

Modern Finnish Ryijy Textiles from the Tuomas Sopanen Collection

京都国立近代美術館にて「リュイユ フィンランドのテキスタイル トゥオマス・ソパネン・コレクション」が始まりました。

買い付け先のスウェーデンで出会うRya(リアもしくはリャ 毛足の長い織物を指すスウェーデン語)の歴史について調べていたこともあり、この展覧会を心待ちにしていました。

The special exhibition ’Modern Finnish Ryijy Textiles from the Tuomas Sopanen Collection’ has started at The National Museum of Modern Art, Kyoto.

植物学の専門家 トゥオマス・ソパネン氏(1945−)によって集められた美しい Ryijy リュイユ(毛足の長い織物を指すフィンランド語)の数々が日本で初めて公開されています。

コレクションは18世紀から現代の作品まで650点以上におよぶそうですが、それはリュイユの歴史を辿れるようにと考えられてのこと。そのなかから選ばれた約50点をゆったり鑑賞できる空間構成となっています。

系統立てて集められたところに、ソパネン氏ご専門の植物学と通じるものがあるように思いました。

Rosa, Designed 1963
Contemporary works, Woven 2005-2021

先週の土曜日は、公開に合わせて来日中のトゥオマス・ソパネン氏ご本人によるレクチャーが開かれ、貴重なお話をうかがうことができました。リュイユと似た織物(素材は異なりますが、日本だと段通)がある東洋の国々もこれまでに旅されてきたそうで、結び目の密度や毛足の長さにリュイユとの違いが見てとれるとおっしゃっていました。当日のレクチャーの様子はYouTubeで観ることができます。

図録もフィンランドのモダンデザインにかかわるとても興味深い内容となっています。リュイユは手間のかかる織物で、古くは結婚式のために織られるといった特別なものもありましたが、近代になってインテリアから排除されるという不遇の時代を経て今にいたるとは。それはとても意外でした。

いただいたポスターを貼りました。店内にはチラシも置いております。思わず手に取りたくなるデザインですので、ご興味のある方はぜひお持ち帰りください。

そして、リュイユが放つ豊かな魅力を実際に美術館で感じ取っていただけることを願っています。会期は4月16日(日)までです。