最近本屋さんで見つけた本、林央子著『つくる理由』(DU BOOKS発行)。
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以前古書で手に入れたおなじ著者による『拡張するファッション』(ブルース・インターアクションズ発行)は、気付けばことあるごとに読み返すほどの愛読書になっていました。その続編ともいえる『つくる理由』では、日本人の活動に主眼が置かれているのが前著との大きな違いです。
1990年代から作品を発表しつづけているアーティスト、そして(わたしが知らなかっただけですが)新鮮でユニークなユニットが紹介されており、検索と並行しつつ読み進めました。登場する9組の表現方法はそれぞれ異なりますが、著者の琴線に触れた作品を生み出したという点において共通項があります。
いずれも「個」から始まっていること、どこか愛着を覚えるような作品(時には洋服)であること。また、「つくる」ためには自分ができることを気負わず、届けられる範囲でつづけていこうとする姿勢と行動力。その根底には何らかの問題意識があり、それを好転するための新しい視点を持ち得ることが、行動にもつながっていくのだと思いました。
そして想像力を大切に。刺激になる一冊です。