わたしの住まいがある区の総合庁舎には、誰もが自由に本を提供したり持ち帰ったりできる小さな本棚が設けられており、用事のついでにその本棚を眺めることがちょっとした楽しみになっています。
先日見つけたのは、2016年に出版された文庫本『熊と踊れ』(早川書房刊)(その日の本棚には、ほかにもスウェーデンのいわゆる「北欧ミステリ」が並んでいたので、まとめて持ちこんだと思われる方を想像して興味を覚えました)。
I found these books in book exchange shelf at our ward office last day. “Björndansen” was written based on a true story in Sweden. So I read them with great interest.
この本は、2014年にスウェーデンで出版された”Björndansen”の邦訳です。ストックホルムや近郊の街の通り、湖、そして新聞紙やスーパーマーケットの名前がいくつも出てくるからなのか、旅気分を存分に味わえます。
それに加えて、実際に1990年代前半のスウェーデンで起こった事件をモデルにしているということが手伝って展開がどうしても気になり、最後までほぼ一気に読んでしまいました。
とにかくキャッシュレスが進んだいまのスウェーデンですが、30年ほど前はもちろん現在とまったく異なっていたようです。
別の言い方をすると、『熊と踊れ』のストーリーのもとになったような事件が多発したためにキャッシュレス化に拍車がかかった、というスウェーデンの過去を知ることにもなりました。
アンナさんにこの話をしたら、「そういえば、数年前に通貨のデザインが切り替わった(日本とちがって、切り替わる前の紙幣は使えなくなる)けど、知らない人がたくさんいたのよ、私を含めてね」と笑っていました。