あがたの森書房さんに追加で届けていただいた本のなかから、とりわけユニークな一冊をご紹介します。
今 和次郎と吉田謙吉による『考現学』春陽堂版。1930年に発行されました。
関東大震災の後、目に見えて変わりゆく街(特に東京)のさまざまな様子が多彩なイラストと文章によって綴られています。観察対象は「あらゆる人々と目の前にあるものすべて」。その着眼点が面白く、どのページを見ても思わず心のなかで「そうきましたか」と呟いてしまう意表を突く内容です。
下の写真はほんの一例ですが。
建物とともに描かれる鳩たちの向きに注目!
こちらの丸ビルモダンガール・散歩コース観察は、このあとNo. 9まで続きます♡
実際には見たことのない今から八十年以上前の都市に不思議な懐かしさを覚えるとともに、編者たちの冷静かつ鋭敏な観察眼は現代にも通じるものだと思いました。
『考現学』は、活字を読みながらイラストを眺めて楽しめるまるで絵本のような一冊です。