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Textiles & Objects

Minami Yamashiro: Early Buddhist Art of Southern Kyoto

今日は午前中母に店番をお願いして、京都国立博物館に行きました。

「南山城」というのは京都府南部の地域を指します。木津川をはさんで奈良と京都を結ぶ古くからの要所で、奈良時代には短い期間ですが恭仁京がおかれました。またそれ以前からの遺跡も数多く現存しています。

会場の展示はそういった遺跡からの出土品に始まり、南山城の古代文化を語るうえで欠かせない椿井大塚山古墳出土の銅鏡や、古墳時代後期の人物埴輪などなど。。。わたしは、埴輪の頭部や顔面の細かな文様にじっと見入ってしまいました。

飛鳥や奈良時代の寺院跡から出土した瓦は、時代や様式によって文様が異なり、好みの瓦はどれかな…などと考えながら眺めるのも楽しいひとときでした。

南山城の歴史あるいくつもの寺院に赴くのは少々不便なため(とわたしが勝手に思っているだけですが)、平安時代の仏さまや所蔵品の数々を一度に見られるのは貴重な機会ではないでしょうか。会期は、6月15日日曜までです。

とりわけ仏像は、おそらく現地よりも間近に、そして背後まで拝見できるのがうれしいところ。

今回の展覧会に先だって行われた三年にわたる文化財調査で、新たに発見されたという地蔵菩薩像の公開もあり、しんとした会場の空気のなかに何かわくわくするような熱のようなものを感じました。考古学から仏教美術という流れは、見ているだけでもとても勉強になるのです。

美しい十一面観音を擁する海住山寺に禅定寺、一休禅師のいた酬恩庵…、歴史を感じながら、あらためて自分の足で古寺巡礼をしたいものです。