伊豆からお越しのお多福さん。わたしの片手よりも小さなお顔…そして、ふっくらした頬とハート形のおちょぼ口で、見る人の心をくすぐるという卓越した技の持ち主です。
今朝は、お多福さんのお使いで東山安井の柏屋光貞さんに向かいました。
この法螺貝餅は毎年節分の日に販売されます。年明けに読んでいた『京都を包む紙』という本で知ったのですが、そのなかでは京都の伝統あるさまざまなお店の包装紙や箱が紹介されています。
また、今はもう閉店してしまったところの店主の話なども綴られており、そこはかとなく寂しくも懐かしい気分になるのです。
ある日、感慨深げにページを繰るわたしの上から、突然、お多福さんの「その法螺貝餅というのが食べてみたいわ」という声が。。。どうやら彼女の目は、ページの片隅に載っていた「節分の日限定菓子」の文字に釘付けになったようでした。けれども、わたしが気になったのは、紹介されていた紙のほう。そこには「金赤の色味と二つ折りの具合がいい」と説明された栞の写真が小さくありました。
というわけで、ようやく手にしたお菓子と栞。伊豆の紙でつくられたお多福さんのお顔も、心なしかいつもよりふっくらしているような…。