Umwelt

Textiles & Objects

trip to Osaka

先日、母にお店番を交代してもらって、見たかった展覧会にようやく足を運ぶことができました。

『ATTIC MUSEUM 屋根裏部屋の博物館』。創設者の渋沢敬三氏は、子供のころから魚や昆虫といった生き物に興味があり、友人たちと「腕白倶楽部」を結成し、『腕白雑誌』という同人誌を創刊するなど、好奇心が旺盛でとても利発な少年だったようです。その飽くなき探究心が、自然に屋根裏部屋の小さな博物館へとつながっていったことがよく分かる展示でした。

興味深く展示品を眺めていると、館内の係の方が「どうぞご自由に撮影してもらってよいですよ」と声をかけてくださいましたので、お言葉に甘えて写真を撮らせていただきました。

最初に目についたのは、凧と小さな達磨たち。指先に乗るほどの豆達磨も。

そして、さまざまな表情をした大きさの異なる達磨たち。収集の楽しさが伝わってくるようです。

着物のコーナーもあり、刺子の野良着は東北だけでなく、関西でも用いられていたことを初めて知りました。

特に印象的だったのは、この琉球のびんがた。ハレの日の特別な衣装だったようで、貴重な絹糸で飾りが施されていました。

藁で編まれた東北地方の手袋には、ほのかに北欧の匂いを嗅ぎ取りつつ。

二階には、アイヌ地方や鹿児島、台湾で収集されたものが写真とあわせて展示されていました。

あら、これは!どこかで見覚えのあるお姿などと思いつつ。。。


展示品には、アイヌ地方の屋根に使われていた木の皮を束にしたものなどもあり、当時の人々の暮らしそのものを伝えてくれるかのようでした。そこには、美醜といった主観的な物差しは関係なく、それがわたしには潔く感じられました。

敬三氏は「人格的に平等にして而も職業に専攻に性格に相異つた人々の力の総和が数学的以上の価値を示す喜びを皆で共に味ひ度い。ティームワークのハーモニアスデヴェロープメントだ。自分の待望は実に是れであつた。」と述べていますが、その土地の人々の協力なしにはあれほどたくさんの収集はなし得なかったに違いありません。かつていた人々の生きていた証を目の当たりにしたという強い印象を受けた展覧会でした。

国立民俗学博物館は、大阪日本民芸館とともに万博公園内にあり、展示を見終わってからもぼんやりいろんなことを考えながら、ゆっくり散歩を楽しみました。

その後は、再び電車に揺られて梅田へ。阪神百貨店に出店している友人に会いに行くためです。

この時期の恒例イベントとなっている催し「Fyn  旅に出る理由」は今回で記念すべき10回目!デンマークやエストニアの毛糸とその毛糸を使って作るFynオリジナルキット、北欧のヴィンテージ陶器などが販売されています。12月10日(火)まで。