今年最初の買い付けのあいだに、デンマークの先生ユーリアと待ち合わせて訪れたルイジアナミュージアム。海を主題にした展覧会「Havet (The Ocean)」開催中でした。
During my first overseas buying trip of the year, I met up with Julie(Aggebo & Henriksen),and visited the Louisiana Museum in Denmark. There was an exhibition on the theme of the ocean, “Havet”.
Every time I visit there, I think that because it is a museum that attracts so many people from all over the world, it must also be meaningful as a place where people can reflect on the environment through the various historical documents and artworks.

展覧会は大きく「芸術と科学のあいだにある海」「崇高で神話的な海」「人新世の海」という 3 つのテーマで構成されていました。
印象的だったのは、19世紀後半ブラシュカ父子によってつくられたという水生生物の模型、これがガラスでできているとは。


精巧さと神秘的な美しさに目を奪われるこれらが、まるっきり空想の産物というわけでなく、実際の観察と綿密なスケッチなどをもとに制作された模型である点はまさに「芸術と科学のあいだにある海」。
そして水槽に入った深海生物の生体展示もちゃんとあるのが、ルイジアナ・ミュージアムらしい。


この展覧会は、過去にルイジアナで行われた「Arktis (The Arctic)」(2013)や「Månen (The Moon)」(2018)といった一連のテーマ別展覧会に続くものでした。
世界各地からたくさんの人がやってくる美術館だからこそ、さまざまな史料や作品を通してそれぞれが環境について思いを馳せる場としての意味合いも大きいのだろうと訪れるたびに思います。


展示を見終え、外を見渡しながらひと息ついていたところ、「降りてみる?」とユーリアの思いつきで海岸のほうへ歩いてみることに。
海岸へ続く小道があることをわたしは知りませんでした。

この海峡 Øresund(ウーアソン)の向こうにはスウェーデン・スコーネ地方が広がっています。
小道伝いに美術館へ戻る途中、足元に見つけた小さなガラス瓶の泥を拭っていると、先を歩いていたユーリアが足をとめ、とっさに何かを拾い手渡してくれました。

それは薄いガラスの破片でした。瓶のなかに入れて持ち帰り、傍らに置いています。
気づけば、目にするたびにデンマークでのできごとを反芻する鍵のようになっていました。
Mange tak, Julie. Vi ses!