織姫の日記
2024年7月22日(月)🌞☁️⚡️夕方ほんのすこし🌧️
おやつの時間、店主さんが「お客さまからいただいたおいしいロシアケーキですよ」と、わたしの前にお皿を置きました。
ロシアケーキ!初めて聞くお菓子の名前です。わくわくしながらお皿をのぞくと、頭に赤くてまあるいのをくっつけたロシアケーキさんが恥ずかしそうにこちらを見ていました。チョコさんはビターな声で「だいじょうぶ」といいました。
わたしの頭の上も赤くてまあるいから、ロシアさんはちょっとびっくりしたのかもしれません。
「はじめまして」とわたしがあいさつすると、ロシアさんは「はじめまして」とお返事してくれました。ソフトな声でした。ロシアさんの赤くてまあるいのが、ぽっと灯ったような気がしました。
お腹はすいていたけど、ロシアさんたちともっとお話をしたかったので、店主さんが見ていないうちに、そーっとわたしのお部屋に持って帰ってきたことはひみつです。
ロシアさんは「わたし、ほんとうはレーズンというのよ。よろしくね」とくっついていた一粒をくれました。レーズンさん。初めてお友だちができた気がして、わたしはとてもうれしくなりました。わたしたちはいろんなお話をしました。つくられた場所、どうやってここまでやってきたのかとか、自分たちの役目?について。
そうしてふと気がつくと、レーズンさんたちの姿はお皿からすっかり消えていました。どこかから「グッバイ」とソフトな声がした気がします。
わたしはなぜか満たされた気分になって、そのままお昼寝をしました。またいつか、だいすきなお友だちと会えますように。