Umwelt

Textiles & Objects

AALTO

10月13日から全国で上映される映画『AALTO』を一足早く鑑賞しました。

アルヴァ・アアルトの名前を知らなくても、そしてフィンランドに行かなくても、わたしたちはどこかでアアルトが残したものを目にしています。

それはモダンデザインの歴史に触れる瞬間でもあります。身近なものだと、Iittalaの器やArtek の家具。どんな空間にも不思議と調和するデザインを生み出したアアルト夫妻はどのような人間だったのか。この映画では、これまでの本や写真、近年日本で開催された展覧会では伝えられてこなかった部分にスポットが当たっています。

最初の妻アイノに宛てた手紙からはじまる冒頭、それから往復書簡のように、ナレーションではたびたび手紙の朗読があります。二人の関係性がうかがえますが、老婆心ながらアイノは気苦労も多かったのだろうなどと考えてしまいました(彼女は病気で早くに亡くなっています)。

とはいえ、お互いが才能を認め信頼し合っていたからこそ数々の名作が生まれたのも事実。そこに欠かせない要素だったのはアルヴァの人柄や社交性だったことが、友人や親しかった建築家を通して語られます。作品と同様、なんとも魅力的な人物だったようです。

静かで美しいさまざまな建築もまた、この映画の主人公たちです。とりわけ、雪に覆われたパイミオのサナトリウムを俯瞰で眺めるのは貴重な機会ではないかと。いつかここに行ってみたいと思う場所がたくさん登場します。

ぜひ映画館の大きなスクリーンでご鑑賞ください。京都はUPLINK 京都にて上映されます 🎬