〈夏休み Umwelt 劇場〉
SF(サイエンス・フィクション、スペキュレイティブ・フィクション=思弁小説、すこし・ふしぎ) に興味を持つようになった原点のひとつが「少年ドラマシリーズ」の『タイム・トラベラー』。けれど初回放送時に観たわけではなく、とにかくすごかったらしいよという噂だけがクラスのSF仲間のあいだで語り継がれているという状況でした。
筒井康隆原作のこの作品は、これまでに何度もリメイクされていることから、時代を超えて愛されていることがよくわかります(原田知世主演による『時をかける少女』、また近年ではアニメ版など)。
でもオリジナルの存在を知りつつ、それが謎のベールに包まれていることはもどかしくもあって、たまにどこかで少年ドラマのことを見聞きすると心躍るという、中途半端な状態が長年続いていました。
そして2001年、ついに願いが叶って、いろいろな情報がどっと流れ込んできたときのことはいまでもよく覚えています。それまで妄想で、上記の大林宜彦監督作品、『ねらわれた学園』しかり、敢えて古めかしく撮っているとしか思えない(と中学の友人は語った)が、個人的にもそれだからよかった特殊効果を土台に、頭のなかで描いた映像と本物が重なり合うことは恐くもあり、またうれしくもあり。
2001年の再放送とDVD化(その時点で、音声はすべて存在していましたが、たしか現存していた映像は最終回のみ)、ソフト化はシリーズの他の作品にも及び、ムック本、『タイム・トラベラー』のCDも発売されました。もちろんテレビでドラマシリーズの再放送があれば録画し、ソフトや本も注文してできるだけ買ったことはいうまでもありません。
またたとえば、90年代にも少年ドラマと似たようなテイストで、水木しげる原作『のんのんばあとオレ』の実写とアニメが融合したのもよかったな。ジュニアドラマシリーズ『クラインの壺』は当時のドラマとしては早かったVRがテーマだったけど、それ以降続かなかったのが残念。
さらに『キテレツ大百科』、期待が外れた『エスパー魔美』の実写版、むしろSFではないもののとても印象深かった『六番目の小夜子』などなど、それらも録画して大事に持ってます(観るためには機材を用意して、テレビに繋がなくてはいけませんが)。いまはこんな我慢と苦労をすることなく、ある程度までなら気軽に観られるのがほんとうに便利ですね 🎬