Umwelt

Textiles & Objects

MANIFESTA 2020

去年の同じ日、わたしはオランダ経由でデンマークに向かうため関空にいました。

旅のおもな目的はいつも買い付けですが、このときは二日後にコペンハーゲンのKADK(デンマーク王立アカデミー)で開催される『MANIFESTA 2020』も楽しみでした。

『MANIFESTA』とは、デンマーク芸術財団により2016年から始まったデザインとクラフト分野についてのイベントです。毎年異なるテーマを決め、そのテーマに沿ったゲストを国内外から新年に迎えてインタビューや発表を聞くという趣向ですが、今年の開催はまだ決まっていません。

去年書きそびれていたことを、遠い日のように懐かしく思い出しながら今回ご報告します。

はじまりの時間は、夕方。

ゲスト(2020年のテーマは「Original(s)」で、わたしのすきなオランダのマーティン・バースも選ばれたひとりでした)の登壇の前に飲み物と前菜を立食でいただいてから、席についてゲストの登場を待ちます。

I remember that Mathilde and Julie invited me to MANIFESTA 2020 last year. Then I was so excited to see Maarten Baas. His ‘Real Time’ tell us about time literally, but they ask our individual lives. I love to look at Schiphol Clock in the Lounge 2 when I wait for my flights, mostly go back to Japan. Hopefully, MANIFESTA 2021 will be held somehow or other.

☝︎上の写真の『REAL TIME』シリーズ(実際の作品は映像)は発表から10年以上が経過していますが、いつ見てもわたしは感動を覚えます(アムステルダム・スキポール空港のラウンジ2に設置された「Schiphol Clock」を写真に撮って何度かこのブログで紹介しているので、お馴染みかと思われます)。

時間の経過(時計)が「人の動き」に置き換えられたことで、興味深くそれを見つめてしまう。しばらくしてふと我にかえり、時間や様々なものごとについて考えてしまう、の単純な繰り返しなのですが。


また、マーティン・バースが「自分はたとえば、車の造形を美しいと思うように自然も美しいと思う」と語った言葉は印象的でした。というのも、その意識は彼がデザインするユニークな家具にも通底していると腑に落ちたからです。

☝︎The tree trunk chair(今からおよそ200年後!に完成予定の木の椅子)が、その集大成となるのかな。

すべてのプログラムを終えたあとは、再び軽食とデザート、そして交流の時間。デザートは親指を通してつかう器に甘い飲み物を注ぎ、上にクリームを注入するというものでした☁️
ゲストのひとりだったロン・アラッドはほとんど準備をせずにやって来たようで、わたしの隣にいたユーリアはちょっと呆れ顔だったし、いま考えると貴重でおもしろい経験でした。
次の『MANIFESTA 』がどのような形で開催されるのか、期待して待ちたいと思います。