Umwelt

Textiles & Objects

de Bijenkorf in Rotterdam

「織姫の布市 vol.7」は、おかげさまで無事に折り返し地点を迎えることができました。後半もどうぞよろしくお願いいたします( 7月中、お休みはありません )。

唐突ですが、先月の旅の記録を。

オランダの主要都市にあるデパート de Bijenkorf( 店名は「蜜蜂の巣」の意 )。六角形ずきとしてはかなり気になる場所です ⬡

なかでもロッテルダムの de Bijenkorf ( 1957年竣工 )は、ハンガリー出身の建築家 Marcel Breuer ( ブロイヤーの椅子はまさに名作! )とオランダの建築家 Abraham Elzas によるデザイン。

大きな通りに面している方の壁面が六角形の連続パターンになっています⬡⬡⬡⬡⬡⬡

店内で印象的だったのは、面が十四ある石柱が規則正しく並ぶ様子です。フロアは現代的に改装されているのですが、おそらく開店時から変わらないその柱は、空間に荘厳な雰囲気さえ醸し出していました。

ロッテルダムはユニークな建物( 先月のブログでご紹介したマルクトハルやキューブハウスなど )が多く、建築都市とも呼ばれています。

それは戦争によって街全体が壊滅的な被害を受けたことに起因しており、とりわけ1940年の Rotterdam Blitz と呼ばれるドイツ軍の爆撃によって、中世の建造物はほとんど姿を消してしまったそうです。

以前の de Bijenkorf ( 1930年竣工 )は、Rotterdam Blitz の後かろうじて残った部分で営業を続けていましたが、地下鉄開通に伴う工事で取り壊しが決まり、1957年に新たにこの建物が造られたという歴史があります。

前日の夜に映画  “Das Tagebuch der Anne Frank”( 邦題 『アンネの日記 』2016年 )を見ていたので、街を歩きながら、平和であることのありがたさや尊さを考えずにはいられませんでした。