Umwelt

Textiles & Objects

The exhibition: Alvar Aalto — Second Nature

休日を利用して、先週から名古屋市美術館(黒川紀章による設計)で開かれている展覧会『アルヴァ・アアルト — もうひとつの自然』に行ってきました。美術館のエントランス近くにある看板の向こうにはアレクサンダー・カルダーの屋外彫刻が見えます。

I visited Nagoya city to see the exhibition: ‘Alvar Aalto — Second Nature’. There’s the standing mobile ‘Fafnir-Dragon II’ by Alexander Calder in front of Nagoya City Art Museum.

展示会場は大きく二つに分かれており、一つめは初期にアアルトが携わった建築や家具デザイン、そして彼と交流の深かった人々について紹介されています。

1923年に改修を請け負ったトイヴァッカ教会のため、アアルトが新たにデザインした錬鉄の燭台は、想像していた以上に大きく迫力がありました。モチーフとなっている躍動的な葉の影が、すぐ後ろの壁に映っているという展示の方法も美しかったです。

いまわたしたちが目にするアアルトの代表的な作品やイメージからすれば、意外なほど装飾の際立つ燭台ですが、有機的でありつつもシャープで力強さを感じる点はその後の彼のデザインとも共通しているように思いました。

階段を上がったところにある二つめの会場には、ペンダントランプや椅子などの作品がたくさん並んでいます(椅子はここぞとばかりに、裏側をまじまじと観察してしまいました)。

建物や家具の設計図面も多いので、ゆっくり時間をかけて眺めました。愛すべきレタリングたち!アアルトが描いたアルファベットも時代を反映しつつ、洗練されたモダンデザインなのだと思いました。

図録と記念写真。カップとソーサーは、タピオ・ヴィルッカラ、ルート・ブリュック夫妻によるもの。アアルトが卒業し、今はアアルト大学と改称したヘルシンキ工科大学でタピオはかつて教鞭を執っていたこともあります。

・おまけ・
アアルト展のあとは所蔵品展もじっくり観ました。かなり的を絞った所蔵方針に興味をひかれました。「メキシコ・ルネサンス」というジャンルには、岡本太郎『明日の神話』(壁画のための下絵のひとつ)が。館内で使われている椅子も思わず座りたくなるものばかり。美術館を設計した黒川紀章デザイン(図書室にも)はもとより、ミース・コルビュジエ・ブロイヤーの名作椅子にマリオ・ボッタによるポストモダンの椅子も。

帰り道、美術館から名古屋駅を目指して歩いていると、風情のあるお菓子屋さんがあったので小ぶりな椿餅などを買って帰りました🍃名古屋を訪れたときはぜひまた立ち寄りたいと思います。