Umwelt

Textiles & Objects

Hiroshi Sugimoto : Art and Leisure

細見美術館で現在開催中の「杉本博司 趣味と芸術 − 味占郷」展に行きました。

この展示では『婦人画報』(2013年10月号から2015年12月号まで)連載の「”謎の割烹” 味占郷」の室礼などで使われた、さまざまな古美術を鑑賞することができます。

割烹料理屋店主・杉本博司は、いらっしゃるお客さまに合わせて趣向を凝らした軸と床の間飾り、そしてお気に入りの器で手料理をふるまってくださいます。会場ではお料理こそありませんが、根来の酒杯や店主作の正倉院写し白瑠璃碗、乾山の向付なども並んでいます。細密木彫といってよいような、須田悦弘作品もそこかしこに。
わたしも一人の客となった気持ちで心ゆくまで拝見しようと思いました。というのも展示されているものは、ほぼ店主のコレクション。その組み合わせ方もまた憎いまでに遊び心と贅がちりばめられており、小さな会場が楽しさに満ちていたからです。
白井晟一の書と舞楽図屏風下絵、行道面を一緒に堪能できて、ほどよく満腹です。「古美術という魑魅魍魎の泥沼」(図録106頁を参照)を見てきた店主だからこその蒐集を思う存分愛でることができました。
付記

写真は、2014年のフランス・パリで開かれていた杉本博司による展覧会「今日、世界は死んだ」で撮ったもの。買い付け旅の途中に立ち寄りました。

Today, I appreciated the exhibition “Hiroshi Sugimoto : Art and Leisure” at Hosomi museum in Kyoto.
Hiroshi Sugimoto is a great photographer as well as an antique collector.

These photos I took at his past exhibition “Hiroshi Sugimoto : Aujourd’hui, le mond est mort”  in Paris 2014.

When I watch his collection and installation, I always think about the relationship between antiques and modern art.