Umwelt

Textiles & Objects

From Uppsala

ストックホルムから列車で一時間弱のウプサラに来ています。ここにも復活祭の羽飾りが。

今回、この地を訪れた理由は買い付けだけではありません。実は、ある人と再会の約束をしていたのです。

というのは、そもそもわたしが北欧の文化やデザインに興味を持ち始め、また、学生時代に実際に行ってみようと思ったきっかけのひとつに、当時日本に留学中だったスウェーデン人 Hannaとの出会いがあります。その頃から、彼女は建築に詳しく、ユーモアがあって、凛として落ち着いた印象でした。

ある日、彼女のお母さんが家で織られたという小さな布とスウェーデンの民族衣装のひとつを手渡してくれました。それまで、私は北欧の布には全く触れたことがなかったので、それらを通して新たな「北欧デザイン」の魅力に気付きました。

スウェーデンに来たのは3度目ですが、買い付けと梱包と移動で手一杯だったので、これまで Hanna に会える余裕がありませんでした。そして今日、彼女に会ったのはおよそ10年ぶり。最初に出会ってからは15年近く経っていることに、お互い信じられないね、と大きくうなずき合いました。




黒い髪が印象的なHanna、ウプサラ大聖堂にて。

北欧で最も古いウプサラ大学の博物館。Hanna が学生の頃に授業が行われていた建物は大学の所蔵品を展示する場所になっていて、現在、彼女は大学で働いています。

古代ギリシャの発掘品やウプサラで発見されたミイラの展示、植物学者リンネのスケッチなどいろんな時代のものが各階に展示されています。まるで「驚異の部屋(ヴンダーカンマー)」のよう(解剖学の講義が行われた場所も保存されています)!


彼女は古代ギリシャの考古学が専攻だったので、その頃なら壺を見てどの年代にどこで作られたものか即座に判断できたけど、いまはすぐに思い出せないわ、と笑っていました。










































アルヴァ・アアルトが設計した建物(スウェーデンで見られるとは!)を案内してくれたり、映画の話で、ストックホルムとヨーテボリの映画祭の志向の違いを説明してくれたり、日本の是枝監督の映画について話し合ったり、趣味が近いので一緒にいるととても安心します。


ようやく彼女の暮らす街を訪れることができて、今回の旅の目的をすべて果たしました。さて、こちらはもう深夜、明日帰国します。宝物を抱えながら。

付記

今日、Hannaと一緒にウプサラで買い付けたものの一部。