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NIAGARA Forever

大滝詠一さんは、ご自身のアルバムと同じように、ラジオ番組の制作にも力を注がれていたそうです。そのような姿勢は、新しい作品の発売を首を長くして待ち望んでいたファン(ナイアガラー)の方々にも共有されていたのではないでしょうか。

数年前には、元旦から4日間にわたって「大滝詠一リマスター」シリーズという番組がNHK-FMで放送されたのですが、例えば、2日目のメイキング・オブ・イエローサブマリン音頭は、1時間の番組に200時間もの編集作業が費やされていて、本当に衝撃的で、わたしはラジオの前で圧倒されてしまったことを覚えています。

また「新春放談」というかたちで、山下達郎さんのラジオ番組に長年の間ご出演されていました。

そういうわけで、いつの頃からか、年末に大滝さん関連の番組があるか調べておいて、年明けにそわそわしながらとりあえずラジオのスイッチを入れ、片手間に聴いているのがわたしの恒例行事のようになっていたのです。毎年欠かさず通して熱心に聴いていたわけではありませんが、大滝さんとの出会いは一年に一度。この機会を逃すとまた来年になってしまうのでした。

そんな年の瀬を過ごしていたので、昨年の大晦日のまったく予想だにしない突然の大滝さんの訃報に、わたしの感覚は麻痺し、しばらくの間は現実感が伴わないままでした。

そして年が明け、一週間以上が経過しました。

1月6日にニッポン放送は追悼番組を放送しました。このときはラジオの傍を片時も離れない気持ちで耳を傾けていたのですが、関係者のインタヴューなども交えた内容は、大滝さんの人柄も伺えるとてもよいものとなっていました。

今後もいろいろなラジオ番組で追悼特集が予定されているそうです。

数多くの歌手の方々にも楽曲を提供されていた大滝さん、それらを含むナイアガラ・サウンドは決して色褪せることのない魅力に溢れており、時代を超えてずっと受け継がれていくのだろうと今更ながらに実感しています。

謹んで大滝詠一さんのご冥福をお祈りします。