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ベン・ウィートリー監督作品『ハイ・ライズ』が全国で順次公開されています(京都での上映は、京都みなみ会館にて9月24日から)。

1970年代の高級タワーマンションを舞台としたこの映画の原作者は、『クラッシュ』『太陽の帝国』などで知られるイギリスの作家 J・G・バラードです。

ある晩の停電をきっかけに、上層階に住む富裕層に対して下層階の住民による不満が爆発するというストーリー。

近未来的なラグジュアリー空間とごみだらけの廊下、ショッキングな映像(R15+指定)とともに、わたしたちの現実社会を戯画化したかのような内容は、むろん原作者バラードの先見性に負うところが大きいでしょう(後期バラード作品のテーマはテロ事件。あまり指摘されませんが、私見では、『素粒子』『服従』などで話題のミシェル・ウエルベックもバラードの影響を受けているように思われます)。早く京都に来てほしい!

この映画で驚いたのは、挿入歌としてポーティス・ヘッドによるABBAのカバー曲「SOS」が録音されたことです(活動休止だったのでは)。気になる方はぜひ劇場に足をお運びください。

そして今回の動画は、ニューヨークのローズランド・ボールルームで行われたポーティス・ヘッドのライブ映像。当時この DVD がとても話題で、国内発売されるとすぐ手に入れた記憶があります(これまでブログにアップした楽曲の大部分は、わたしの手元にある、かつてあった、あるいはその作品に関連したものです。というわけで動画投稿サイトは、過去の音楽体験を記憶の棚から引き出してくるための便利な視聴サービスという位置づけ。また逆に、新しい発見があるのもうれしくて、気に入るとつい買ってしまいます)♪

A film by Ben Wheatley ‘HIGH-RISE’ from the acclaimed novel by J.G.Ballard has been released in Japan.

J.G.Ballard wrote ‘HIGH-RISE’ in the 1970’s. He was an inspired visionary because his novels are so close to our contemporary real world. Actually we perceive why he had individual sharpness of observation from his biography as well.

Anyway I’m really excited to watch the film here in Kyoto soon!