Umwelt

Textiles & Objects

MA: Space-Time in Japan

昨年11月の買い付け中に見つけたポストカードは、今から40年以上前にストックホルムで開催された展覧会「間 - 日本の時空間 」(スウェーデン語タイトルは MA-tid och rum i Japan)のものでした。

スウェーデン国内とはいえ、ストックホルムから遠く離れた場所で出会った一枚(いきなりの長谷川等伯『松林図屏風』、展覧会では神籬と名づけられていた空間)に、一瞬時間がとまった感覚になりました。

The postcard I found last November. It’s from the exhibition “MA: Space-Time in Japan” (Swedish title: MA — tid och rum i Japan), which was held in Stockholm over 40 years ago.

The postcard with Östgötahäst I received from Stefan, at Anna and Rolf’s house

この展覧会のキュレーターは、建築家 磯崎新(葉書の裏にもその名前があります)。そしてもう一人、中心的な役割を担ったのが音楽家 武満徹でした。

1978年にパリ装飾美術館で開催された後、ニューヨーク、ヒューストン、シカゴ、ストックホルム、ヘルシンキを巡回した画期的な展覧会。展示についてまとめられたカタログは以前からウンベルトラボにありましたが(一冊は当時のもの。もう一冊は開催後20年の節目に東京で開かれた展示についてのもの)、この葉書のような実際の展示風景を撮ったカラー写真を見たのは初めてでした。

Two catalogues related to the exhibition

例えば、わたしたちは「間がいい(あるいは悪い)」とか「間が持てない」と口にすることがあります。景色に「波間」や「雲間」と使ったり。(今ではちょっと珍しくなっていますが)家の一室を居間とか客間と呼び、旅館などで「〇〇の間」を目にするなど、時間と空間についてのさまざまな意味をあらわす「間」という短い言葉。

この展覧会が画期的だったのは、「間 MA」には古代からつづく日本人特有の感性や日本文化を形作ってきた霊性が宿っているという起点から始まり、それを空間展示(倉俣史朗のミス・ブランチや四谷シモンによる人形なども)にとどめず、当時の前衛的な舞踏や音楽に伝統の声明といった実際のパフォーマンスを交えて披露したことだと思います。しかも日本以外の国々で。知性や感性あふれる人たちの勢いと熱を感じる展示だったはず。思いがけず葉書を見つけたことで、ストックホルムやヘルシンキではどんな反響があったのかなと今さらながら考えてしまいました。

そういえば先日お店に、ここ数年京都在住とおっしゃるイスラム圏の方がいらっしゃり、「日本のオリジナリティを大切にして」と熱弁をふるってくださいました。その話は古くイスラムからヨーロッパへ多くの技術や文化が伝播したことに起因していると思うのですが、これまで彼女がヨーロッパを旅しても、目新しさやオリジナリティからくる感動をほぼ覚えなかったところ、日本に来てそれが一変したと。

欧米から見た日本とはきっとまた違う見え方があるんだろうなという気がして、強いまなざしをこちらに向けて話す彼女から目が離せませんでした。